白い恐怖。
自分でも呆れてしまうぐらい、ヒッチコック好きの私です。
今回観たのは1945年にアメリカで公開された「白い恐怖」です。後に「汚名」でも出演することになるイングリッド・バーグマンと、「ローマの休日」で有名なグレゴリー・ペックとの共演作品です。
このころのグレゴリー・ペックはまだ売り出し中の役者だったのか、それともイングリッド・バーグマンの名演技に呑まれてしまったのか、何となく青臭い感じもします。それでもあの甘いマスクと品の良い立ち居振る舞いは、永遠に女性のハートを捕らえて離しません。
さて、「白い恐怖」のあらすじです。
ある精神病院に新しく赴任した若き院長エドワーズ(グレゴリー・ペック)に心を奪われてゆく同病院の女医ピーターソン(イングリッド・バーグマン)だが、エドワーズの度重なる不審な行動にピーターソンは精神医としての勘で彼の過去に何かあるのではとその心を探ろうとする。
ピーターソンは、エドワーズが本物のエドワーズではなく、記憶喪失のJ.B.なる人物であることを探り当てる。
では一体、本物のエドワーズはどこにいるのか?
ひょっとしたら本物のエドワーズを殺害して、それになりすましているのではなかろうか?
ピーターソンはJ.B.を愛するがゆえに必死でその真相に迫る。
結局、記憶喪失のJ.B.は少しずつ記憶を取り戻し、ピーターソンの支えによって事件の裏に隠された意外な事実を暴いてゆく。
この作品はヒッチコック監督の十八番でもあるニューロティック映画の先駆けとも言えます。
注目したいのは、記憶喪失のJ.B.の見た夢を回想するシーンなのですが、なんと、その背景のデザインをシュールレアリズムの画家サルバドール・ダリが手掛けているのです。ヒッチコック作品なので、ダリの超現実的な絵もしっくりきます。
ストーリーも演技も、それから後ろで流れている音楽も全て堪能出来る作品に仕上がっているのです。
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