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2006年6月16日 (金)

あゝ懐かしの少女雑誌の面影。

職場の同僚から寺山修司さんの「不思議図書館」を借りて、読了しました。
寺山修司は青森県弘前市の生まれで、早大の教育学部国語国文学科を中退しています。演劇実験室「天井桟敷」を結成し、劇作家、演出家として活躍した人です。代表作に、「書を捨てよ、町へ出よう」の評論集があります。敗血症で47歳という若さで亡くなっています。
寺山修司さんの作品はほとんど読んだことがなく、この「不思議図書館」が初めてと言っても差し支えありません。
寺山氏はここで自らが館長となり、変った殺人のための大全科、だまし絵の美術史、吸血鬼に関する文献資料、切り裂きジャックのナイフ入門等などを哲学的に語っているのです。
中でも私が注目したのは、「あゝ懐かしの少女雑誌の面影」という章です。

あの、繊細で抒情的で、そこはかとないエロチシズムをたたえた少女たちは、一体どこへ行ってしまったのであろうか?

と、嘆く寺山氏ですが、この著書の初版はすでに昭和59年に出版されているので、当時にはもう「少女」が存在しなかったと言うことになります。
寺山氏のイメージする「少女」というものが一体どんなものであるかは、何となく想像がつきます。
例えばそれは「少女倶楽部」の蕗谷虹児、「少女の友」の中原淳一の描く「少女」の姿なのです。「他で外すことのできないのは、何といっても松本かつぢ」とも言っています。
※松本かつぢについては、5月4日付のブログで紹介しました。

寺山修司を単なる「ロリコン」というフェチシズムに置き換えるのは早計でしょう。

・・・ジュニア小説の中には、もう少女はいない。そこにいるのは、女の子であり、ギャルであり、女子学生である。

寺山氏が求めて止まなかったのは、潔癖なほどの少女同士の小宇宙を取り巻く透明感に他ならず、懐かしの少女雑誌の中の「黒髪の少女」であったのです。

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