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2006年8月28日 (月)

宗教に誘う女。

町内会のお祭りもやっと終わり、役員としての山場を越えることができたのでやれやれというところです。
先日、まだお祭りの準備やら連日の会合などでてんやわんやしている時、もう夕飯はスーパーのお弁当で済ませてしまおうと出掛けたところ。
久しく会うことのなかった以前の職場の同僚Sさんとバッタリ遭遇。
私としてはSさんはあまり会いたくない存在なのです。彼女は決して悪い人ではないのでしょうが、自分の信仰している宗教に勧誘するのです。彼女はそれを信じ、尊ぶことであらゆる災難から救われたのでしょう。いかに素晴らしい仏の道であるかを説くのです。
彼女の信仰している某宗教は、遠州地区のとある街に本部があります。優秀な霊能者もいるらしく、「一度見てもらったら?」と何度誘われたことか・・・
最初に出会った時、何と強くてしっかりした人なんだろうと、好印象を持ちました。思春期の女の子を抱えるシングルマザーで、小さな古いアパートの家賃と生活費を稼ぐために必死で頑張っていたのです。
そんな彼女に心を開き、私も自分の身の上を話しました。両親は既に他界していること、兄弟姉妹もいないこと、隣家の失火で我が家も半焼してしまったこと等々です。
しかしSさんに話すべきではありませんでした。彼女に弱みを見せたら最後、その隙を狙ってつけ込んで来るのです。
彼女は幾度となく私に言いました。真実の仏を敬わなければ人生に大失敗すると。先の見えぬトンネルに迷い込んで、もうそこから抜け出すことが出来なくなってしまう、だから信仰心を持って真実の仏を尊ぶようにと。そうすれば必ず、必ず道は開けるからいっしょに集会に出よう、と。
私は断りました。宗教とは所詮人間が作り出したもの。人間のいるところに宗教はあるけれど、人間のいないところに宗教はないのです。私には両親のお位牌があります。ご先祖様と両親を供養していくことこそが私なりの宗教だと思っていると伝えました。
しかしSさんの勧誘は止まなかったのです。
その後、私は転職してSさんからの積極的な宗教観を押し付けられることもなくなりました。
あれから何年経ったのでしょう?
けれどスーパーで偶然出会ったSさんは、以前の彼女とは大きく変化していました。年老いたお母さんに付き添われ、お惣菜コーナーをうろついていた彼女の目に輝きはなく、目の下にクマが出来ていて、ノーメイクの肌はすっかり荒れていました。
私が声をかけようかかけまいか迷っていると、彼女は目だけを私の方に向けて、
「あ、さんとう花さん、久しぶり。」
と、声をかけて来ました。
「実はね、昨日退院したばっかりなの。ずっと心療内科にお世話になってたんだ。」
私はびっくりして「えっ!?」と声を上げたきり、次の言葉も出ませんでした。
「子どもが引きこもっちゃって、手のほどこしようがなくて・・・自分もストレスで仕事辞めたの。」
私は動揺を隠せないまま、ただ「うんうん」と曖昧に頷くばかり。
「お茶したいところだけど、まだ体が本調子じゃないからゴメンネ。また会える?」
私は「うん」と答えると、Sさんは宗教の話題には何一つ触れることもなく「じゃ、またね」と、去って行きました。
あれだけ熱心に信仰していたのに、こんな結果になってしまうことがあるのでしょうか?
それともそれは天が彼女に与えた試練なのでしょうか?
今の彼女を支えるものは、激ヤセしてしまったSさんにそっと寄り添ってくれる、母親の無償の愛情だけかもしれません・・・

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コメント

こんにちは
まったく同じようなことが、我が家の娘にもこの間ありました。
新しく勤務することになった会社で、人のよさそうなオバさんに〈休みの日〉のお茶に誘われたのです。
ボクはその誘われた経過を聞いて、「それは宗教勧誘では・・・」と忠告をしたのですが、「いいひとだから・・・」と出かけました。
半日して帰宅した娘からは、案の定の話が出てきました。
馴染みのオバさんと知らない人が一緒に来て、なんと4時間にわたり宗教勧誘をしたそうです。
また、喫茶の後池袋の施設で講演会があるから、ぜひ一緒に行きましょう。延々だったようです。
なんとか断った娘に、「私の誘いを断った人は、事故にあって今も苦しい目にあっている・・・」などと恫喝をしたそうです。
折伏も人の弱みに付け込んで、脅迫まがいのことをしては、宗教も暴力団勧誘も変わりませんよね。
ところで、元気出てきましたか。地域活動ご苦労様です。

投稿: 雲出川荒大 | 2006年8月29日 (火) 05:45

雲出川さん、こんばんは(^o^)
コメントどうもありがとうございます☆
そうですか、雲出川さんのお嬢さんにも似たような経験がありましたか。この宗教の勧誘だけは、うんざりしますよね。なにしろ勧誘している本人はそれが一番正しいと信じているし、入信させることが相手のためでもあると考えているので、もうどうしようもありません★
宗教に限らず、自分の尺度だけで物事の価値判断をしてしまうのは非常に危険ですよね。
常に物事を多角的にとらえられるように心がけたいものです・・・

投稿: さんとう花 | 2006年8月29日 (火) 20:05

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