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2007年2月16日 (金)

道は前に。

ここへ来てこの寒さ。
しばらくはファンヒーターも使う回数が減り、灯油の減り方も遅かったので暖冬に感謝すらしていました。
今夜はこたつから出られません。
あったかいコーヒーのおかわりが妙においしく感じられます。
のびやかな時間。
私に与えられたこのひとときは誰にも邪魔されない。
今のこの瞬間は職場のことも、近所付き合いのことも、プライベートのことも、全て忘れ去ってしまおう。
退屈しのぎでつけているテレビも、読みかけの文庫本も、たたみかけの洗濯物も、しまい忘れた化粧ポーチも、何もかもが中途半端に無造作に私の前に広がっているのです。
私が触れなければ半永久的にそのスタンスとシチュエーションは変化しないのです。
積極的な孤独に身を置くことを好としていた私ですが、それはあまり軽々しく口にしてはいけないような気もして来ました。
こうして目の前に広がる、変わらぬ光景を見た時、理屈ではなく環境で思い知らされたような気がします。
誰かのことを悪し様に言ったり罵ったりしても、人間はわがままで貪欲な生きものなので、決して人から離れて暮らすことなんて出来ないのです。
いつだって人間様は自分が一番可愛いのですから!
そして、誰かを愛するより先に愛されたがっているのです。
所詮人間なんてエゴイズムの塊なのですから。
私はいつもその信念に従って、前にある道を歩んで来ました。
まっすぐに、まっすぐに。
時折、喉が渇くと立ち止まって一杯の水を求め、歩き疲れるとしゃがみこんで動けなくなることもありました。
私には故郷もなく、帰る家は侘しい寝床のあるこの場所だけです。
本音とか愚痴とかあるいは考えていること思っていることなど話せる相手は皆無に等しく、ましてや私をそっと抱きしめてくれる人は側にいません。
優しい言葉は剣のように深くえぐり、私を揺さぶります。
どうせなら人の道を踏み外して何もかも奪ってしまって相手を傷つけ首を絞めてもろとも破滅してもいいのですが・・・。
だけど私はお人好しなのです。
甘い言葉に乗せられて道を離れることが出来ないのです。
雨戸をカタカタと揺らす夜風に泣き濡れて、もうどうしようもない自分を抱えてただひっそりと息をしていくだけです。
天空を覆う闇が等しく相手の頭上にも広がるように、場所こそ違え、同じ月を見上げるように、ただ心だけは、心だけはつながっていると私は信じたい。

人を離れて道はなく、
道を離れて人はない。

私は前を向いて歩いて行こう。
前を向いて。

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コメント

私もこんな気持ちあるかも知れません。自分でもうまく表現できないもどかしさがありますね。他人がうまく、的を得た表現をすると、「ああ~そうそうこれだ」って。だから、さんとう花さんがこのように表現すると、「あっ、俺もそういう感覚あるような気がするな」って。

私も後ろを見てみたら、それはもう自己嫌悪の塊になってしましますよ。前ですね。前!!

投稿: 晴兵衛 | 2007年2月17日 (土) 21:15

晴兵衛さんコメントありがとう(^o^)
そうなんですよね、ただただ前を向いて歩いて行かねばと思うわけなんですよ。
それが正しいことなのかどうなのかわからないのですが、もしかしたら時折ふりかえってみることも必要なのかもしれませんが、その都度自己嫌悪に陥ってしまいそうで怖いのです・・・(>_<)
なので前を向いて歩いて行こう、と。

投稿: さんとう花 | 2007年2月17日 (土) 21:35

積極的な孤独、という言葉にたどり着いた人
がどれほどいるだろう、なんて思ってみたら
『ソリチュード』なーんて名前までついていました。がっかり

気がつけばまた一年が経ちました。

投稿: かとう | 2008年2月22日 (金) 21:08

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