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2007年8月13日 (月)

金剛院。

金剛院の御堂は、もっと昇ったところにある。丸木橋をわたると、右に三重塔が、左に紅葉の林があって、その奥に百五段の苔蒸した石段がそびえている。石灰石であるために滑りやすい。
「金閣寺」より三島由紀夫・著

8月12日の朝、早々に宿を出ると、K美さんとともに西舞鶴駅前のレンタカーにてトヨタヴィッツをレンタル。カーナビの誘導でスムーズに金剛院まで。もちろんドライバーはK美さん。私は助手席で、のんびり車窓の向こう側を眺めながらまったりモード。
京都は舞鶴市にある金剛院は、三島由紀夫の「金閣寺」にも登場する名刹です。
念願叶えて百五段の苔蒸した石段を目の前にした時、思わず熱いものが込み上げて来ました。一息も二息もつきながら私は作品のことを思い出し、若き学僧の苦悩を省みるのでした。
昭和25年7月1日、国宝金閣寺を焼失せしめた学僧のルーツがそこにあったのです。
やぶ蚊がストッキングの上から刺すのも忘れて、私は立ち尽くしました。ふと我に返って石段の中腹辺りを見上げると、すでにさっさと登っているK美さんの姿。それはまるでゴールに向ってひたすら山頂を目指す登山家のような後ろ姿なのでした。私はそれを見てあわてて彼女の後を追いました。
うっそうと生い茂る木立ちの間から、近年耳にすることのなかったひぐらしがカナカナと寂しく鳴いていました。
他に観光客の姿はなく、ただ私たちは本堂の周囲をウロウロした後、裏山の滝に向って続く山道を無言のまま歩いてゆくのでした。
私はその間、全てのしがらみや苦悩から解放されるのを感じました。自然と一体化した自分は、その辺に転がる石ころや名も知らぬ野の花と何ら変わらぬ存在で、あるがままの姿を受け入れられたような気がしたからです。
私は、お盆もクリスマスもお正月も、何か世間が陽気で明るい雰囲気に包まれる行事を全て拒否していました。私には今もこれからも関係はないのだと思っていたからです。だから今ならお盆の時期は、なるべくひっそりと息をひそめ、こちらから友人に連絡を取ることもなく、私という存在はまるで衣料品売り場のマネキン人形のように通り過ぎてゆく場所にあったのです。
けれど、K美さんはそんな私の哀しい感情を知ってか知らずか、私という存在の中心で愛ではなく笑いを語るのです。
「聞いてよー。最近下着を新調したんだけどさー、そこの店の人が褒め上手でさー、ブラジャー試着したら、『こんなに形の良い胸のお客さまは初めてです!』って言うわけー。もうブラジャーとショーツをセットで買っちゃったよー。勝負下着なんだけどさー。」
「えっ!?勝負するの??」
「今度、資格試験があるからその時にでも着けていこうと思ってー。」
K美さん、勝負下着の意味がすでに違っています。でも特に問題はないので、あえて訂正はしませんのであしからず(笑)

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コメント

こんばんは^
なかなかに、おもしろい!K美さん。
知って?わかっての?ボケでしょうか?
そのへんは、さんとうかさん、のみぞ知る。
今度、資格試験のときは、僕も勝負パンツはいていこうかな。
しかし、京都は暑かったでしょう?

投稿: カイ | 2007年8月18日 (土) 23:45

カイさんコメントありがとう(^o^)
京都はことのほか暑かったですよ~(^_^;)
死んじゃうかと思いました(笑)
カイさんもどうぞ試験の時は勝負パンツはいて下さい(笑)
意外に効果があるかもしれませんヨ(^_^)v
まだまだ暑いですから夏バテなどお気をつけて☆

投稿: さんとう花 | 2007年8月18日 (土) 23:54

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