サボタージュ。
【sabotage】;破壊工作《戦争中の敵のスパイによる橋・鉄道・工場の破壊》、(一般的に)妨害行為。
(「ジーニアス英和辞典」より引用)
伝説の女、K美さんのエピソードを取り上げたらキリがないのです。
それは昨年のこと。
彼女は家庭用の備付け消火器の使用期限が切れたとかで、110番通報。
「あのぅ、家の消火器の期限が切れちゃったんですけどぉ、どうしたらいいですかぁ?」
「えっ!?そんなことで110番通報しないで下さい!!」
その後、K美さんは、延々説教を受けたとのこと。
冷静に考えれば、それは警察に対する職務妨害なのです。
二度とそのような天然ボケをさらさないよう願うしだいであります・・・やれやれ・・・。
久しぶりにヒッチコック監督作品を満喫しました。
やっぱりヒッチの英国時代の作品は最高なのです。
渡米前のものには、英国的サスペンスがプンプンとそこかしこに匂っているのですから。
この頃の作品は、いわば「正統派」の流れを汲むもので、きっちりがっちりと作り上げられています。
今回はその英国時代、1936年にイギリスで公開された(日本では未公開)、「サボタージュ」をDVDで観ました。
その晩、突然ロンドンの街は闇に包まれた。
停電が起きたのである。
それは破壊工作を仕掛けたテロリストによるものだった。
小さな映画館を経営しているヴァーロックが一枚噛んでいた。
ヴァーロックは、ロンドン市長就任パレードをねらい、ピカデリー・サーカスに時限爆弾を仕掛ける任務を負う。
彼の妻の年端もいかぬ弟(スティーブ)に、爆弾を仕掛けた荷物を持たせて使いに出す。
もちろん、妻もスティーブもヴァーロックの実体を知らない。
事情のわからないスティーブは、お祭り騒ぎのロンドンの街を荷物を抱えたまま楽しげに寄り道をくり返す。
そのうち約束の時間が迫っていることに気がついて、慌ててバスに乗り込み、渋滞途中でバスもろとも爆発する。
「サボタージュ」は英国時代のヒッチを代表する作品と言っても過言ではないのですが、ヒッチ本人はとても後悔の残る作品だと語っています。
その理由の一つとして、まだ年端もいかぬスティーブ(主人公の弟)を爆死させてしまうという設定は、非常に後味の悪いものだったからだそうです。
さらに、キャスティングのミスもあり、ヒッチとしては納得のいかない役者さんもあったようです。
そんな中、私個人としては、時代を越えたリアルな現代社会派サスペンスに仕上がっているので、多いに支持したい一作なのです。
ヒッチコックの生み出す映画で重要になるのは、「映像と編集のテクニックによって生み出される緊張やサスペンスであり、俳優の熱演ではない」のです。
そこをキーワードとしてヒッチ作品を再度鑑賞すると、「なるほど」とうなずかずにはいられません。
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