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2008年4月20日 (日)

花のたましい。

先日友人が春の訪れをフォトカードにして送ってくれました。
それはいちめんの菜の花畑。
風に乗って、まるで景色の中を泳いでいるような気持ちになるほどでした。
友人はそこに中原中也の詩を添えてくれました。
何か、現実と虚構の狭間をゆらゆらと漂うような、あるいは、感情が肉体から離れて言葉が辺りをさまようような、そんな積極的な孤独を呼び覚ます内容のものでした。
私は友人が撮影した春のたおやかな一場の中に、孤独というよりはやさしさ、慈悲の心を見たような気がしました。
そのせいか、中原中也も良いのですが、金子みすゞの詩を思い起こしてしまいました。

散ったお花のたましいは
み仏さまの花ぞのに
ひとつ残らず生まれるの。
だって、お花はやさしくて、
おてんとさまが呼ぶときに、
ぱっとひらいて、ほほえんで、
蝶々にあまい蜜をやり、
人にゃ匂いをみなくれて
風がおいでとよぶときに、
やはりすなおについてゆき、
なきがらさえも、ままごとの
御飯になってくれるから。

(「花のたましい」より金子みすゞ・詩)

菜の花畑のフォトカードは、我が家の居間におだやかな春の風を運んでくれるのです。

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