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2008年8月30日 (土)

分け入つても。

蕭々と降る霧雨の中、私は白馬にいました。
日常の喧騒から離れて、山の息吹と風の音を聴きたくなったのです。
つづら折の山道を滑るように登って行くと、徐々に下界から遠ざかり、民家は消え、対向車と出あうこともなくなりました。
遠くにそびえる山々も霧に隠れ、そのあいまいな稜線をまるで私の想像力に委ねようとしているかのようでした。

山の斜面の牧草地に放牧されたホルスタインが、無邪気に草を食み、脇を通りかかった私の方をもの珍しそうに眺めます。
うっすらと霧に濡れた白と黒のコントラストの毛並みが、高原の空気に触れてつやつやと輝いているのです。

私は一体何から逃げようとしているのだろう?
この牛たちに尋ねてみようか?

山頂へと続くリフトは、あいにくの雨模様のせいか運休。
閑散として人の影はなく、動かないリフトはしっぽりと濡れていました。

「答えは自分で探しなさい。」

北アルプスは音も立てずに私を煙にまくのです。
肌を濡らす霧雨も、心が洗われそうな澄んだ空気も、私は全ていただいてまいりましょう。
記憶の片隅に夏の名残を感じつつ。
「色が光となる」ような青さを前に。

分け入つても分け入つても青い山(山頭火)

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コメント

大自然の前には、憂いも悲しみも迷いも全て肥やしとして吸い込まれて行きます。幾万年も繰り返された、営みがこれからも営々と続いていきます。地球の年齢からすると人間の一生なんてホンの一瞬です。だから、全てを受け入れて逞しく生きていこうと思いますが・・・・

投稿: 晴兵衛 | 2008年8月31日 (日) 11:45

晴兵衛さんいつもコメントありがとうございます(^^)
信州で悠久の自然美を前にしたら、なんだか自分がものすごくちっぽけなことにクヨクヨしていることを思い知らされましたよ・・・(^_^;)
人は苦悩する生きものなので、仕方がありませんが、もっと強い自分になりたいなぁと思いますね(*^_^*)
残暑厳しき折、お体ご自愛くださいね!

投稿: さんとう花 | 2008年8月31日 (日) 22:09

クヨクヨするのも人間です。弱いのも人間。全て肯定しましょうよ!
そうすれば、余り苦になりませんよ。実は、私こうみえても(どう見えてるんでしょうね?)うん十年前にちょっとした挫折を味わいました。人生を左右するような!とそのときは思ってましたが、今から思うと大した事はない挫折でした。余り自慢できませんけど。

投稿: 晴兵衛 | 2008年9月 1日 (月) 21:50

そうでしたか、晴兵衛さんも辛い挫折の経験があるのですね。人は皆、多かれ少なかれ辛酸を嘗めるような苦い経験をしているのですね・・・。
自分だけが悲劇のヒロインだとは思わず、少しずつでも前進できるようにがんばりますね(*^_^*)

投稿: さんとう花 | 2008年9月 2日 (火) 12:48

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