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2009年10月11日 (日)

ルイズ~父に貰いし名は~

1923年9月、甘粕正彦憲兵大尉によって虐殺された大杉栄、伊藤野枝の4人の遺児たちは、それぞれの名前を、魔子は真子、エマは笑子に、ルイズは留意子に、ネストルが栄に改められた。いずれもその名で、野枝の私生児として今宿の村役場に入籍された。(「ルイズ~父に貰いし名は~」より松下竜一・著)

戦後、長きに渡って政権を担って来た自民党が大敗し、民主党が第一党となりました。
だから日本はきっと良くなる、変われる・・・とは今のところ断言できません。
もちろん、そうなって欲しいという願望があることは確かですが。

これまで様々なジャンルの小説・伝記などを読んでは、自分なりの覚書きとしてブログに綴って来ました。
しかし、今回読了した「ルイズ~父に貰いし名は~」は、アナキストとして畏れられた巨魁大杉栄と伊藤野枝との間に生まれた遺児たちのその後を追ったノンフィクション形式になっています。
したがって早とちりの方は、「ああ、さんとう花さんは何か思想的なものを持っているようだ」と誤解されるやもしれませんので、まずは私がリベラルな立場で、ほんの興味本意からこの本を手に取ったに過ぎないことをお断りしておきます。
発端は、何かの書評を読んだことから本作に対する興味がわいたのだと覚えています。
「ルイズ」の著者は松下竜一氏で、「現代日本でピカ一のノンフィクション作家」であると絶賛されている書評からますます読んでみたくなったというわけです。

大杉栄という人物は、その主義・思想から「国家による庇護は一切求めぬ」という無政府主義者としての信念を貫き、伊藤野枝との間にできた4人の子らの出生届けを役所に出していませんでした。
そんな4人の子どもたちの名前と言ったら・・・。
悪魔の子にちなみ魔子、次にエマ、そしてフランスの女性革命家より拝借してルイズ、そしてネストルと、大正時代当時としてはあまりに奇抜で、世間の通念に逆らった名を付けるとは、正に社会への挑戦以外のなにものでもなかったことでしょう。
暗黒の軍国主義時代に突入しつつあった当時の軍部は、大杉栄らを危険分子として常にマークしました。
そしてついに麹町憲兵分隊に拉致され、伊藤野枝とともに肋骨などをめちゃめちゃに折られ、死ぬ前に蹴る、踏みつけるなどの暴行を受け、絞殺された上、古井戸に遺棄されたのです。(大正12年9月16日夜)
この時、大杉栄は38歳、奇しくも今のさんとう花と同い年で亡くなったのです。

そういう過激な両親の最期と、主義者の子という重い十字架を背負いつつ生きて来た遺児の、自立するまでのプロセスが淡々と、そして詳細に表現されているのです。
政治が不安定だ、経済状況が悪化の一途だなどと憂う前に、「ルイズ~父に貰いし名は~」を読むことで、自由な言論・自由な主張の認められる現代社会に感謝しなければと思うのです。
そこに、先人たちの血を吐くような歴史と記録の積み重ねがあるのですから。

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コメント

さんとう花さん、ご無沙汰しております。
覚えておられるかな?
よくコメントを頂いたmooです。
本当にご無沙汰です。

自分のブログは、まぬけなことにパスワードを忘れて、事実上閉鎖しました。
あと、うざったいコメントをくれる人も一部いたので、いい機会だと思ったのもあります。
ここ3年ほどは男の大厄に見事にやられまして、入院を余儀なくされたり、大変でした。

でも今は完全復活し、多忙な日々を過ごしております。

大杉栄、松下竜一と来て反応する方は少ないでしょうが、僕は共感します。

松下さんの作品では、「狼煙を見よ」と「怒りていう、逃亡には非ず」を読んでいます。

前者は、三菱重工ビル爆破事件の犯人であった、「東アジア反日武装戦線」の狼グループのドキュメント。後者は、一般刑事犯でありながら、日本赤軍のダッカ闘争のハイジャックにより、コマンドとしてスカウトされた泉水博さんの流転を綴っています。
どちらも名作です。

「ルイズ~父に貰いし名は~」も、前々から興味があり、読もう読もうと思いつつ、今に至っております。
現在は多忙であり、時間が取れませんが、いずれ読みたいと思っております。

今、他社でブログをやっております。
名前も変えて、完全な硬派ブログです。
さんとう花さんにも見ていただきたいのですが、あまりアドレスをさらしたくないのです・・・
一度コメント欄を承認制にしていただけるとお教え出来るのですが。

ご迷惑でなければ、気が向いた時にでもしてみて下さい。

僕の最近のマイブームは、バイオレンス映画と経済小説です。
映画評や書評もブログでやっております。

それでは、またお邪魔致します。

投稿: 元、moo | 2009年10月25日 (日) 22:34

mooさんお久しぶりです(^o^)
時々mooさんのブログを閲覧していたのですが、更新されていなかったのでやめてしまったのかなぁと思っていましたヨ☆
そうでしたか、迷惑な書き込みは本当に困ったものですよね・・・。
そうそう、コメント欄の承認制と言うのはどうやったら良いのでしょうか??(←ホントにすみません、いまだパソコンを使いこなしていなくて、どういう操作のことなのかわからんのです・・・涙)
ぜひぜひmooさんの記事も読ませて下さい!!
私のブログは気の向いた時に更新しているためあまりせっせと書いていませんが、また遊びに来て下さいね~ヽ(^o^)丿

投稿: さんとう花 | 2009年10月26日 (月) 17:39

さんとう花さん、レスありがとうございます♪

えーっと、ココログにもコメント承認制の機能はあるようです。
ちなみに僕はココログじゃないので・・・(苦笑)

ログインして設定のところで、「コメント管理」のような部分があるので、そこで「コメント権限」みたいな部分で選択出来るのかな・・・

僕のブログはそうなんですが・・・

ちょっと試してみて下さい♪

投稿: 元、moo | 2009年10月27日 (火) 18:40

さんとう花さん、コメントありがとうございました。
返信は僕のブログの方を見て下さい。

あ、一つお詫びを。

さんとう花さんのコメント、mooの表記がありましたので、現在のハンドルネームにし、再投稿させていただきました。

次回からはそのハンドルネームでお願い致します

投稿時間だけズレちゃいましたが、お許し下さい。

あ、早速変なコメントが入ってますね。
承認制、便利な機能なので、ちょっとお調べしてみてはいかがかな?

ではまた♪

投稿: 元、moo | 2009年10月29日 (木) 20:15

元mooさん、書き込みありがとうございます(^^)
現在のハンドルネームの件、了解しました!
(気遣いが足りず、すみませんでした・汗)
コメントの承認制という機能、今一度確認してみますね。すでにお気付きのように、こちらのつたないブログにもなんだかおかしな迷惑コメントがチラホラと寄せられるのですよ・・・(-_-;)
困ったものです・・・。

投稿: さんとう花 | 2009年10月29日 (木) 23:36

この記事へのコメントは終了しました。

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