トリアングル。
年に一度の楽しみなので、今年もまたクリスマス・ケーキを予約することにしました。
直径15cmの一番小さいタイプのものです。
毎年予約しているM店で今年もまた・・・と思っていたところ、突如として出現した噂のA店。
ホームページを確認したところ、クリスマス・ケーキは1種類しかなく(大きさは指定できるらしい)、フランス式の伝統的なプッシュ・ド・ノエルのみ。
しかもパティシエは、フランス人とな!
どおりでホームページが英語みたいな横文字の羅列なわけだよ(汗)
A店は、その本場仕込の格調高いスイーツを提供することで有名で、プロの職人さんがここのケーキを求めて全国から訪れるとのこと。
私は何やらこれまでお世話になったM店に対し、背徳的な気持ちを抑えることができませんでした。
「今年は思い切ってA店に乗り換えてみようかしら?」
すでに私の気持ちは8割方A店に向かっていました。
しかし、やっぱりさんとう花は勇気がなく、チャレンジ精神に欠け、そして何より浮気という倫理に反した行為のできない人間なのです、はい。
「一時の気の迷いにまどわされちゃダメよ。私にはM店があるんだから!」
こうして私は揺れる女心をどうにか納め、M店のクリスマス・ケーキを予約するに至ったわけです。
そんな中、俵万智の『トリアングル』を読了しました。
俵万智と言えば、1987年に上梓した『サラダ記念日』で一世を風靡した歌人です。
その後も『チョコレート革命』などの歌集も出版し、コンスタントに文壇を賑わせている売れっ子歌人なのです。
その俵万智が初めて書いた小説が、この『トリアングル』です。
興味本意で読んでみたのですが、なかなかおもしろかったです。
ライトノベルの感覚で読めるので、何も難しいことは書いてありません。
素直に「カッコイイ」と思ったのは、小説の中に散りばめられた、その時その時の主人公の気持ちを織り込んだ短歌が加えられているところです。
「さすがだなぁ」と思わずにはいられませんでした。
主人公は33歳の女性でライター。
様々な人物や物を取材して、記事にしていくというやりがいのある仕事に就く独身である。
結婚については考えないでもないが、目下、付き合っているのは妻子ある年上のカメラマン。
だが一方で、ひょんなところで知り合った年下の売れないミュージシャン志望の男性とも付き合いが始まってしまう。
主人公は、二人の異質な男性をどちらも同じように好きになってしまい、苦悩する・・・。
二人の男性を手玉に取るだなんて、私のこれまでの人生経験上、一ぺんもないのですが、正直、あこがれてしまいます(笑)
『トリアングル』は、働く女性に読んでもらいたいです。
大人の恋愛のマネゴトをしてみたい若い女性にもオススメです。
男性にとっては・・・どうだろう、ちょっと甘めな小説かもしれません。
俵万智の新境地を味わうのに、充分すぎる恋愛小説でした。
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