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2014年5月 7日 (水)

42歳の女子会

あっという間に一週間が経ってしまいました。
久しぶりの楽しいひと時で、いまだその余韻が冷めやらぬ感じです。
そう、それは5月1日(木)のことです。
修善寺に在住の友だち、M美さんが浜松まで遊びに来てくれたのです。
M美さんとは高校時代からの長い付き合いですが、私が伊豆から引っ越したり、M美さんが結婚したりなどでなかなか旧交をあたためる機会もなく、たまのメールと年賀状のやりとりだけでつながっているような状態でした。

M美さんは二男であるご主人のところへと嫁いだのですが、結果としてご主人のご両親と同居し、後を取ることになったという経緯があります。
「お義兄さんが都会で就職して、結婚して、向こうにマイホームを買ったから仕方ないんだよね」
「そうなんだ」
「その代わり、同居が条件だけど、主人の実家を建て直して、土地も家屋も名義は主人のものになったから文句は言えないけどね」
M美さんは一つ一つの言葉をしっかりと選び、低い声でゆっくりと話す人なので、まるで村上春樹の小説の登場人物が話すセリフのようなのです。
「私の母親が姑との確執でずいぶん苦労しているのを目の当たりにしているから、できることなら自分は避けたかったんだけど、、、やれやれ」

そんな話を交わしたのが浜松駅すぐそばにあるホテルオークラベーカリーのカフェでのこと。
上品で手ごろなランチを食べながら、気分は村上ワールドなのです。
積もる話はなかなか尽きず、食べ終わっても尚、居座り続けたのですが、店内がかなり混雑して来たのを潮時に、オークラベーカリーを後にしました。

「せっかくだから、浜松城公園に行ってみようか?」
私はM美さんを連れ、市役所行きのバスに乗り、新緑に萌ゆる公園を散策したのです。
「浜松城には思い出があるの。主人とまだ結婚する前に浜松までドライブに来たんだけど、ガイドブックに載っていた浜松城までの行き方が分からなくて、大ゲンカしたの」
「あのころカーナビなんて付けてないしね」
「そう、スマホで“ググる”わけにもいかないし」
「今日は20年前のリベンジ?」
「そうなるよね」
「今度は家族で来なよ。浜松城は出世城だから、ご利益があるかもよ?」
「息子はともかく、主人を連れて来て、出世にあやかりたいよ」

二人で公園内をくまなく歩いて回り、つまらないお喋りに花を咲かせ、やがて「お茶しようか?」ということでスターバックスへ。

「スターバックスなんて初めてだよ」
「私もあんまり行かないんだけど、コップのサイズがS,M.Lじゃないんだよ。ショートとかトールとか言うんだよ」
「えーっ! すごいね。なんだか日本じゃないみたいだね」
私たちはスタバのことで小一時間ぐらい盛り上がり、トールサイズの何とかラテやら何とかフラペチーノを飲み、ケーキをつつき、そして二人の舌は乾くことを知らなかったのです。

楽しい時間は無情にも過ぎていきます。

気付けばすでに夕方の6時。
M美さんには帰りを待つご主人と舅姑、それに中学一年生の息子がいます。
「お土産はやっぱり浜松っぽくなくちゃね」
と、うなぎパイで有名な春華堂駅前店に案内しました。
あーでもない、こーでもないと二人で相談しながら、浜松カラーベタベタのお菓子を選りすぐり、M美さんの両手は春華堂の紙袋でふさがってしまいました。

「すごい荷物だけど大丈夫?」
「うん、勢いでいっぱい買っちゃったよ」
「忘れ物ない?」
「うん、大丈夫」

新幹線の改札口で別れる時、お互いが42歳という現実に戻る瞬間だったような気がしました。
二人して二十歳ぐらいの若さにタイムスリップしていたのに、まるで魔法が解けるみたいに家庭の顔になっていくのです。
今度いつ会えるか分かりませんが、その時まで楽しみです。

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