妙法寺
私はそれほど信心深いわけではないのですが、お寺や神社を訪れて、ちょっと拝んでおくのが習慣となっています。
電車の車窓から美しい富士山を見ることができた時なども、拝んだりしてます。(←明治のおばあちゃんみたいですが、、、)
そのことが功徳になるなどとは、正直、期待していませんが、はっきりとした信仰の対象がない私には、あちこちの神仏を敬っておくことが気休めになっているのかもしれません。
8月30日(土)は、白糸の滝まで出かけたのですが、張り切って早朝の列車に乗ったので、思いのほか早く見物を済ませてしまったため、それならばと吉原まで足を延ばすことにしました。
JR東海道線吉原駅より東へ徒歩15分ほどでしょうか。
毘沙門天をお祀りしている妙法寺というお寺を訪れました。
山門をくぐって境内の正面に出ると、何と申しましょうか。
横浜中華街などにありそうな、あるいはタイの寺院などにありそうな、そういう雰囲気なのですが、こういうのを何と言いましたっけ?
とにかく、異国風のムードが漂っているのですよ。
ここには毘沙門天がお祀りされているのですが、体のどこかが悪い方の身代わりになってくれるという有難い神様なのです。
なので、たとえば腰痛持ちの方なら、毘沙門天立像の腰をさすった後、自分の腰をさすると、その痛みを引き受けてもらえるというわけです。
その際、毘沙門天立像をさする布ですが、寺務所にて¥500で購入することができます。有難いことです。
その布を購入した時に頂いた『風流説法46』という冊子なのですが、これがまた興味を引く内容なのです。
もともと仏教説話が大好きなので、帰りの電車内ではずっと読み耽っていました。
妙法寺の住職による手記なのですが、動物たちとの触れ合いに関する日常的な内容が主となっています。
その冊子の中に、“一角仙人”という水に関する教訓としての物語が紹介されていました。
ある仙人が谷川で小便をした。
この小便に混ざって流れ出た仙人の精子が、ちょうど下流で水浴びしていたメス鹿の体内に入って妊娠した。
メス鹿は、男の子を産んだ。
その子は人間そっくりだが、頭の上に鹿のように一本の角が生えていた。
人々はこれを“一角仙人”と呼んだ。
ある日、一角仙人が長雨でぬかるんだ道をぶらついていると、泥に足をとられてスッテンコロリン。
人々は手を叩いてはやし立てた。
真っ赤になって怒った一角仙人は、長雨のせいで恥をかかされたと思い込み、仙術を使って天雲を封じ込めてしまった。
これによって何カ月も雨が降らず、大地も人々も枯渇した。
そこで困った人々は、仙術を解く方法を相談し合った。
それは、女色で仙人を誘惑しようというものだった。
白羽の矢が立ったのは、町一番のチョーカワイイ遊女。
そんなこととはつゆ知らず、仙人は大木の下に女性が倒れてうめき声をあげているのを見て、駆け寄ってしまう。「一体どうしましたか」
「今、どう猛な犬に局部を食い切られて、痛くて、痛くて」と、泣きながら裾をまくる。
仙人はこれまで、女性のものを見たことがない。
女の言うことを信じたが、一体どうしてやれば良いのか分からない。「痛くて痛くて仕方ありません。どうかあなたの手でやさしく撫でてください」
女は哀願した。
仙人は、言われたとおり撫でていると、そのうち雨が降り出した。
だいぶ端折ってあらすじを引用してみたのですが、概略はだいたい上記のとおりです。
これは一体どういう教訓なのかと言いますと、「上流で小便なんかしてはいけない。下流ではその水を飲み水に使うのだから。そういう悪いことをした者には、必ず罰が当たる」というものだそうです。
要は、「水を汚してはならない」ということなんです。
言葉にしたらただそれだけのことを教え、諭すために、そのようなユニークな物語を二千年も前に考え、作ったのかと思うと、昔の人ってスゴイなぁと思うわけです。
吉原の妙法寺まで足を延ばし、この冊子を頂けたことは、偶然の賜物とはいえ、大変有難いことでした。
こちらの住職の人柄が伝わって来るような、人間味あふれるエッセイの趣を感じました。
体のどこかに持病を抱えておられる方、ぜひこちらの妙法寺の毘沙門天にお参りされてはいかがでしょうか?
心が洗われるような、清々しい気持ちになりますよ!
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
こんばんは
夏の終わりに寺社巡り
素晴らしいですね
僕は子どもの宿題と新学期の
買い物に大忙しでしたが…(汗)
妙法寺、また興味深いお寺を
ご紹介いただきました
吉原には、電車好きな子どもの
付き合いで一度行ったことが
ありますが(私鉄がありましたよね)
そんな有名なお寺があったとは!
ちょっと遠出してお参りしたい
と思います^^
投稿: 松枝 | 2014年9月 2日 (火) 23:00
松枝さん、こんばんは!
9月に入ってだいぶ涼しくなりましたよね!
そうですか、松枝さんは家族サービスでお忙しかったようですね(笑)
でも子どもさんたちにとっては、日ごろお仕事で忙しくしているお父さんとのふれ合いを持てて、物凄く嬉しかったのではないかと思いますよ(o^-^o)
さて妙法寺ですが、なかなかユニークなお寺でしたヨヽ(´▽`)/
閑散としていて、お参りに来ている人はだ~れもいませんでした(笑)
お寺の境内へ続く階段の途中、人に微妙に慣れたネコちゃんが、私と距離を置きながら私の方を振り返りつつ、やがて逃げて行きました。
ただそれだけのことですが、のんびりと心地よい空間でした。
もしも機会があったら、ぜひお出かけ下さいね(o^-^o)
いつも書き込みをありがとうございます!!
投稿: さんとう花 | 2014年9月 3日 (水) 22:39
こんばんは
行って参りました、妙法寺ヽ(´▽`)/
青春18きっぷが残り1回あるのを
思い出し、東海道線を乗り換えていってきました
閑散とした駅を降り(男性2人組が駅員さんに
時間つぶしの場所を聞いてましたが、
「ないねえ~、ここら辺は喫茶店もないよ」
とおっしゃってました)
小雨そぼ降る中、歩いて行きました
着いたところ、いきない鳥居があるのに
ビックリ!
本殿の隣には、まるでイスラム寺院かと
見紛う建物…
左わきにすすむと洞窟があり
入場の際は社務所に声をかけろとの
張り紙…
興味をそそられましたが、足元がおぼつかない
中、蚊の大群に襲われそうで断念しました(^-^;
雰囲気に圧倒されて、
さんとう花さんが入手された冊子をいただくのを
失念してしまいました
右側の社務所には、おばさんがいて
いつでもいらっしゃい状態でこちらを見て
いたのですが^^
妙法寺、有名なだるま市の頃は盛況なのでしょうね
家族で訪れてもいいのですが、
コンビニ一軒も見ませんでした…
素晴らしいお寺をご紹介いただき
ありがとうございました!
投稿: 松枝 | 2014年9月 7日 (日) 20:32
松枝さん、おはようございます!
そうですか、妙法寺へさっそくお出かけ頂いたのですねヽ(´▽`)/
そうなんですよ、ついつい吉原駅周辺の様子をこちらの記事でご紹介しなかったのですが、ちょっとしたカフェもコンビニもないんですよねぇ、、、(^-^;
妙法寺、気に入ってもらえて(?)良かったです(◎´∀`)ノ
参拝客がだ~れもいないというのが、オツなもんですよね??
遠方からお出かけ下さり、本当にお疲れさまでしたm(_ _)m
きっと松枝さんに、妙法寺のご利益がありますよ!!
投稿: さんとう花 | 2014年9月 8日 (月) 08:32